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 鎖の音

2007-11-14

Night Sea
Night Seaの海月さんにお借りした写真『予感』です。


次の日は休みでしたが、朝から練習のある日でした。
私はカラッポの気持ちのまま家を出ました。
太陽が眩しく輝いていましたが、心の中は凪いでいました。
(頑張ったけどダメだったよ…。もう、何も望まないんだ…)
また心の中で太陽に語りかけていました。
苦しいのか苦しくないのかよくわからない中途半端な心持あるいは脱力した感じというか、
そんな感じの心境で部活に向かいました。
学校について、バレー部の更衣室に入ると、もう誰か来ている形跡はありましたが、誰もいませんでした。
着替えて体育館へ行くと、もうコートにネットが張られ、ボールの入ったかごも出されていましたが、そこにも誰もいませんでした。
微かに(??)となりつつ、先にサーブの練習でも始めていようと思いました。
最近のバレーの試合を見ていると、みんな正面向きのジャンプサーブをしていますが、その昔は(この言い回しは年寄りくさいかんじですね)アンダーハンドサーブとオーバーハンドサーブを教わり、クラブ員は大抵オーバーハンドサーブに落ち着くのでした。
ところが私はオーバーハンドサーブが出来ませんでした。
体が柔らかすぎてぐにゃぐにゃで、横向きに打つときに変に曲がってしまうのです。
そこで男子バレーの先輩からフローターサーブなるものを教わり、その練習を欠かしませんでした。これは今現在のジャンプサーブの原型というか、正面向きで打つサーブでした。
これなら体が変に曲がらずサーブを打つことが出来たのです。
オーバーハンドの進化形にドライブサーブというものがあったのですが、大変威力が強く、レシーブミスを誘えるので、私はフローターサーブでもドライブサーブのような打ち方が出来ないかと考えていました。
どんなものかというと、相手コートに入ってからククッと下に回転するのか、予想する落下地点より手前に落ちるので、しかも打ち方のせいか普通よりスピードアップするのでレシーブしにくいサーブだったのです。
正面打ちでも可能だろうと思っていました。
今の人はそれをジャンプすることで、やっているな~と思ってバレーボールのルールの変遷に驚いています。(リベロなんてものまであるし)

閑話休題。

とにかく一人でサーブの練習をしていましたら、外から賑やかなレギュラーたちの声が聞こえてきました。
彼女たちは私を見るとドドドッと走ってきて、また私を取り囲みました。
そしてまた口々に言うのでした。
「私らがいつ、あんたのことのけ者にした!?」
「言いたいことあったら直接私らに言ったらええやんか!」
「先生に告げ口するなんて最低やわ!」
「昨日、学校に戻ってから先生に説教されてんで!」
「なんで私らが怒られなあかんのん!」
…と、だいたいこのようなことを口々に言って私に詰め寄るのでした。
それで私は、昨日の電車の中で一瞬F先生と目が合ったことを思い出しました。
F先生はじっと見ていて、そして私がのけ者にされていると誤解したようでした。
「わたし…先生に言ってくる。」
私はそう言って体育館を飛び出しました。
私はのけ者にされたから泣いたのではなかった。壁が厚いから泣いたのでした。
最初は教員室へ向かって走っていたのですが(一体F先生にどう言えばいいのだ?)と思った瞬間、足が勝手に広いグランドに向かっていました。
頭の中はゴチャゴチャです。
(F先生が私のために、みんなに説教してしまった。誤解なのに…。…本当に心配してくれていたんだ…。)
以前やけになってF先生にまで八つ当たりしていたことを思い出しました。
(みんなはのけ者にしていたわけじゃなくて、ただ私みたいな子が存在することを知らなかっただけなのに…誤解で怒られてしまった…)
でも、F先生のして下さったことは有難かったのでした。
私のためにみんなに説教したことではなく、ちゃんと見ていてくれて心配してくれていたのが解ったことが嬉しかったのでした。
嬉しいけれど、余計な事をさせてしまったと思いました。
みんなにも嫌な思いをさせてしまったと思いました。
(ただ私個人の問題で、みんな振り回してしまった。
本当に私だけの問題だったのに…私がもうちょっと頑張れば誰も嫌な思いをせずにすんだのに、私が不甲斐ないばかりに、みんなに嫌な思いをさせてしまった…みんなにも先生にも申し訳ない!
二度とこんなことはないようにしたい! もう、私は恐れるのをやめる!
そう思ったとき、どこか遠くでパキーンと何かが弾けて粉々に砕ける音が聞こえました。
そのとたん、私の体が軽くなったのです。
それはまるで、長年私の体に巻きついていた重い鎖が粉々に砕けた音のように感じました。
実際に体が軽くなったのが不思議でした。
いつの間にか涙があふれていました。
そのとき心の中にあったものを、私は未だにちゃんとした日本語に変換することが出来ません。感謝もあるし、先生やレギュラーたちへの申し訳なさもあるけど、それ以外の思いというか感情というか……言語になりません。
ただ太陽を見つめて泣くだけでした。
暖かい太陽の光を満身に浴びながら、しばらく泣いていました。

それから私は気持を落ち着けて、体育館に戻りました。
入ったとき、レギュラーたちはまだ互いにブツブツ言い合っているようでしたが、彼女たちを見たとたん、
「さぁ、練習始めようか!」と大声で言っていました。
口をついて出たというか、勝手に口が喋ったというか…。
しかし、その声で本当に練習が始まってしまいました。
そして後からF先生が来ましたが、私は何も言えませんでした。
ただ照れ笑いをするだけ。
F先生も何も言いませんでしたが、いつもと何かが違うのはすぐに気がついたことだろうと思いました。
練習が佳境に差し掛かってきた時、レギュラーの一人が笑って言いました。
「どうしたん。今日は元気ええやん!」
私はきちんと謝ることも出来ていないのに、ちゃんと私の変化を受け止めてくれているのでした。
私は「えへへ。」と笑うだけだったのですが、それ以降、説教のことで誰も何も言いませんでした。F先生の言ったとおり、彼女たちは本当に気のいい連中だったのです。

そして本当にこの日以来、私は人と話せるようになったのでした。
もう学校は憂鬱な場所ではなくなっていました。
教室でもレギュラーたちと一緒の輪の中に入れるようになっていました。
そうなってみてわかったのは、彼女たちと同じスピードで話せることは別に必須ではなかったし、話題について行けなくて、ほとんど聞いてるだけでも問題なかったのでした。
気がついたら一番目立ちハッチャキなエースアタッカーと金魚のフンのように、いつも行動を共にするようになっていました。
二人で試験勉強も一緒にしました。
二人とも勉強が苦手なので一夜漬けなわけですが、眠気覚ましに夜中に外でバレーボールをして頑張ったのに、肝心の試験の最中に眠ってしまったのも、良い思い出となっています。
ほどなくレギュラーの一人が転校して行って、私は空いたポジションに入ることができました。
最初、かなりガッカリして受け取ったゼッケン番号の8番は、いつの間にか一番大好きな数字になっていました
クラブのバレーボールには数字が書き込まれているのですが、無意識に私は8番のボールを選んで使っていたようでした苦笑
それを見ていて気付いた後輩は、玉拾いで8番を見つけると必ず私の所に持ってきてくれるのでしたうふふ


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おまけ

そして、この話には出来すぎのオマケが付いていました。
やがて私たちも3年生になり、最後の試合に臨むことになったわけですが、私たちは大抵出ると負けのチーム。
良くても3回戦止まりの弱いチームだったのですが、考えてみたら、これまで本当に力を出し切って戦ったことがなかったような気がしました。
そこで、
「最後の試合は力を出し切ろう! 悔いを残さないように戦おう!」と
みんなで約束したのでした。
ところが私たちの対戦相手は、あろうことか近畿ベストエイトに入る強豪だったのです。私たちは練習が終わって更衣室で着替えながら誰かが歌を歌いだすと、それが全員に広がって、いつしか全員で合唱しながら着替え、学校を出るまで歌っているようなお気楽チームでした。
みんな、楽しいことは好きだけど、苦しいことは苦手~って感じだったのです。
しかし近畿ベストエイトに残るチームはキリッとしていました。
試合に臨む時の目つきも私たちとはぜんぜん違っていて鋭く、まったく格が違うという印象でした。
けれど、私たちはこの時だけは怯みませんでした。
じつはうちの中学のバレー部は、女子はものすご~~~く弱いけど、男子は近畿ベストエイトに入る強いチームで(二年先輩の人はオリンピックまで行った)、その男子バレーとの合同練習なんかもよくやっていたのです。
角度のきついアタックやクイックなんかにも食らいついて行ったものでした。
「それに比べたら、ましや!」という話になりました。
そして実際、互角に戦ってしまったのです。

私たちの試合は始まるのは遅かったのですが、普通ならばその日のうちに決着がついているところジュースの連続で暗くなっても決着がつかず、とうとう試合は後日に改めてということになってしまいました。

rapis.jpg
徒然主婦日記のラピスさんの写真を使用させて頂きました。


そして再試合はなんと、うちの中学の体育館で行われたのでした。
もう、それが泣いても笑っても最後の試合でした。
みんなで「力を出し切ろうな!」を合言葉に試合に臨みました。
私はこの試合で初めて、かねてから練習してきた正面向きのドライブサーブを打ちました。
もちろんサービスエース。満足でした。
みんなもよく戦いました。
前回で決着がついていたらなかったことですが、多くのうちの生徒が応援してくれていました。最高の舞台でした。
この時も最後、ジュースにもつれ込んだのですが、やはり力量の差か負けてしまいました。
でも、みんな力は出し切りました。
悔いを残さない試合はできました。
本当に幸せだと思いました。
何人かのレギュラーは涙を流していました。(私はニコニコしていたような…)
試合に出て誰かの涙を見たのも、この時が初めてでした。
そうして私たちは引退しました。

そして、あれほど恋い焦がれたバレーボールなのに高校ではしませんでした。
ま、定時制だったので授業が終わった後でスポーツをする気力が残ってなかったのもありますが、定時制にもバレー部があり、ちゃんと部員がいましたから、情熱があれば入部していたと思うのです。
あとで考えると、まるであの内向の殻をぶち破るためにバレー部に入ったみたいな感じでした。実のところは、こんなところにも守護霊の導きがあったような気がしているのです。
(最後にちょっとだけプチ不思議)

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おはようございます

何かが弾けて、本当に良かったです(*^^*)
最後の試合は、みんなで力を合わせて
思い出深いものになったと思います。
「8」という数字も、ミッチョンさんと縁があったのかも
しれないですよね(*^^*)

写真を使っていただき
ありがとうございます。
とっても嬉しいです(*^^*)

☆海月さん
写真を使わせて頂いて有難うございましたm(_ _)m
あの時には(なんだ今のは?)ってな感じだったのですが、後々考えると無意識に『怖れ』という鎖で自分をがんじがらめにしていたのだと思いました。
それが一気に吹っ飛んだなんて、なかなかスゴイかも!と、自分で思ってしまいました(爆)
これ以降も家は暗いバトルが続くのですが、もう子供のように草原の中に救いを求められる状況でもなかったから、学校で自分をきちんと出せるようになったということは大きな収穫でした。
このことがなければ、やはり今の私は存在しません。
「8」は、今でも一番好きな数字です(#^-^#)

お久しぶりですe-75
ミッチョンさんの書かれた事を読んでから、一度持ち帰って自分なりにいろいろ考えさせてもらいました。

実際に経験したことというのは文章にしても重みがあるのですね。
特に最後のプチ不思議に考えさせられましたe-249本当に「何か」が変わるキッカケを誰かが用意していたような....もちろん変えたのはミッチョンさん自身なのですが、それ以上の何かを感じてしまいますe-284心の中にあった太陽とのリンクとかも。
↑なんだかハッキリしない文章ですいませんe-466e-263長らく使ってなかったせいか、また日本語が下手になってる気がしますe-277

とにかく、
>本当に幸せだと思います
と言えることが幸せだと思いますe-417
そしてそれを言葉にして表現できるミッチョンさんはステキだと思います。

...日本語の語彙が戻ってから改めてコメントさせてもらうかもしれないですe-254

☆まぁくつさん
お久しぶりです。
日本語があやしくなってる、なんてことはないですよ。十分わかります!(・ω・)b 

>変わるキッカケを誰かが用意していたような....

後々になって私が思ったのも、この点でした。
何が何でもと始めたのにバレーボールへの未練が微塵もなかったのですよ。
バレーボール自体はずっと好きでしたが、あの焦がれるほどの思いはどこへ?…と思いました。

また、この経験から得たことというか、発見なんかをまとめたいと思っていますが、まだ文章化していません。
本当は続けて載せたいので、この土日に頑張ってみようと思っています。
自費出版を考えていた時はホントにどこかの誰かにとってヒントになるのではないかとか考えていたのですが、このままではヒントにならないよねと、書いてみて改めて思いました。
うまく、まとめられる自信はないのですけどねe-263
また、もっと日本語の語彙がもどったら(今でも十分いけると思いますが)意見をお聞かせ下さいねe-420

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こんにちは!

こんにちは!
ちょっと、ご無沙汰している間に
かなり遅れをとってしまいました・・・
何かが弾ける感覚、分かります!!
今までは、理性で
がんじがらめになっていた自分が
突然、自分勝手に動き出すと言うか・・・
ミッチョン様のおっしゃるとおり
きっと、成長のステップアップとして
導かれた、出来事だったのでしょうね!

☆ちゃーみー♪さん
これは、あとで振り返ったときに本当に不思議だなと思いました。本人は逃げる気満々というか、常にヘタレだったけど、流れは殻を破らなければいけない方向に向いていたんだなと思いました。ただ、その流れを作ったのも自分自身なのかも知れないな、というところをまとめで書こうと思っていたのですが、文章がまとまらな~い( i ◇ i )
まとめは、もしかしたらブッツケで書く方がいいのかも知れません(困った性分だ…)

いい話だぁ~v-406
なんか体がこしょばしくなりましたw
ミッチョンさんはバレーやってらしたんですね~
しかもレギュラーなんてすごいです!
いや~いい仲間がいてうらやましいですよ~

ちなみに風邪大分良くなりました!v-389

感動的♪
恐れていたからそれが悪循環になっていたのかな?と全部読ませていただいて思いました。
なにごとも恐れずにぶつかっていくことって大事だなと思います。
それにしても本当にいいお話でした。
心がほくほくしてますv-238v-238v-238

☆higeさん
体がこしょばゆくなる気持ちわかりますe-284
まるで「あの夕日に向かって走っていこう」というフレーズのある青春小説に近いものがると最近思ってます(爆)
でも実話ですから我慢してください(笑)

風邪よくなってきたようで良かったですv-291
これから益々冷え込んでくると思うので、お互い気をつけましょうね(^O^)/


☆SEEDさん
感動的だなんて言ってもらえると、こそばゆくなります(^^;)
書いていながら、なぜか恥ずかしい(//▽//)
「怖れ」と「不安」は何よりも心を蝕むものであると何かの本で読んだことがあります。
でもこの二つ、油断するとすぐに発生してるんですよね。

>心がほくほくしてます

身に余る言葉です。嬉しいです(#^-^#)

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